■参考事項・機能説明


●SIPサーバ
 ・基本的なSIPサーバ機能のほか、TEL-URI、JJ90.24ランダム文字列URIなど、ひかり電話の特徴的な表現への対応や、119/110、184/186などの特殊電話番号、市外局番を省略したダイヤル、グループダイヤリングなどの機能を実装している。


●その他のサーバ類 (DNS、DHCP、HTTP、NTP)
 ・HGW/OGW 起動時に、IPアドレス、電話番号の付与、SIPサーバアドレスなどの通知、バージョンアップ情報、時刻情報の通知などをおこなうためのサーバ機能を実装している。ひかり電話では、電話番号の付与を、DHCPおよびHTTPでおこなうことが特徴的である。


●仮想ルータ
 ・実際のひかり電話網に近いネットワーク構成を実現するため、HGW/OGW、SIPサーバ、テストフォン、3者それぞれ異なるネットワークアドレスになるように想定し、それらをつなぐため用意した3ポートの仮想ルータであり、各機器からはこれをデフォルトゲートウェイとして設定する。
 ・仮想ルータの3つのポートはいずれも、ホストマシンのLANポート経由で、外部とも通信可能。このときも、論理的に別々の3つのネットワークアドレスとして認識される。


●テストフォン
 ・通話相手用に特化した簡易なソフトフォン。発信・着信、送話確認、受話確認が可能。動作モードとして2種類あり、「エコーバックモード」は、受話した音声を録音し、一定秒数後にそのまま再生・返送する。「トーキーモード」は、送話はトーキー音源、受話については簡易レベルメータ画面表示をもって受話とする。
 ・符号化方式G.711 (PCM)、μ-law、20msサンプリング。
 ・切断タイマーや発信間隔、録音再生差動時間などは設定により変更可能。
 ・グループダイヤリングの事業所番号とグループドメイン名は1個まで設定可能。
 ・テストフォンの電話番号は2個まで(任意の番号を)設定可能。ただし発信時に、相手方へ通知されるのは、1個目に設定した番号のみ。
 ・着信には自動応答。発信は自動発信。切断は自動切断。
 ・番号リストとして、telnum_ttp△.txt (なければ代わりに telnum1.txt ) を読み込み、順番に繰返し発信。自動発信開始の契機は、番号リストの1個目の番号がレジスト(または、既に完了)、または、番号リストのいずれかの番号から、テストフォンへの着信。なお、レジスト情報取得は、SIPメソッドSUBSCRIBE/NOTIFYによっておこなっている。これは、実際のひかり電話ではおこなわれていない、HDE独自の動作。
 ・テストフォンは、特殊番号の転送先として、また、空き番号トーキー機能としても使用される。


●対応するSIP端末について
 ・IP電話機、ソフトフォン、VoIP-TAなど、一般的なSIP端末であれば対応可能であり、HGW/OGWの通話相手として利用できる。
 ・設定するIPアドレス、ポート番号、電話番号等は、ttp1_conf.txt 、ttp2_conf.txt を参考に、競合しないよう適切に設定のこと。IPアドレスは固定設定。
 ・ソフトフォンは、このHDEのホストマシンにインストールも可能ではあるが、IPアドレスやルーティングの設定など適切におこなう必要あり。


●複数チャンネル通話について
 ・現バージョンでは、同時に最大4チャンネル程度まで通話可能。
 ・テストフォンは2台用意してあるので、システムだけでも2チャンネルの通話試験が可能。








●発信者電話番号通知・ナンバーディスプレイについて
 ・HDEでは、発信者電話番号「通知」として接続処理することをデフォルトとする。
 ・「186」を付加、または何も付加されない(通常の)ダイヤルは、「通知」として扱う。
 ・「184」が付加されたダイヤルは、「非通知」として扱う。
 ・HGW/OGWからその末端の電話機へ発信者番号を伝達するかどうかは、HGW/OGWの設定による。また、発信者番号を電話機に表示させるには、電話機にもその機能と設定が必要。


●PING応答機能
 ・SIPサーバ、仮想ルータ、テストフォンは、PINGに応答する機能があるので、トラブル探索の時には、HGW/OGWのWAN側などからPING試験してみるとよい。ただし、フラグメントなどの機能はないので、1472バイト以内の普通のIPv4のPINGであること。また、パケット送受信処理の都合上、PING応答時間は20〜30ミリ秒程度になる。


●転送機能
 ・PBXやビジネスホンの場合、110番など特殊番号や090携帯電話へ発信できるかどうかを確認したい場合があるが、このHDEでは、転送機能によりテストフォンへ着信させることにより、通話試験を実現している。
 ・転送対象となる特殊番号の一覧は、設定ファイル telspc.txt に登録。 ただし、"184"、"186"については、通知/非通知の識別ために使用され、「転送」の処理はされない。
 ・テストフォンが1台もレジストしていない場合での転送時は、「500 Server internal error」。また、テストフォンが他と話中状態であれば、「486 Busy」として処理される。


●市外局番を省略しての発信について
 ・実際のNTT網の市外局番、市内局番のリストを持つことは困難なので、簡略的な処理で対応している。(発信側電話番号、ダイヤルされた着信番号、双方の桁数差により市外局番を推定する)そのため、実際のNTT網には存在しない市外局番・市内局番の桁数構成でも接続になる場合がある。


●ダイヤルインについて
 ・telnum.txt に記述された「*」付き番号に合致する電話番号は、HGW/OGWへ着信される。HGW/OGW〜電話機がダイヤルインに対応するよう設定してあれば、ダイヤルインとして動作する。


●グループダイヤリングについて
 ・2〜4桁の事業所番号(+内線番号も可)をダイヤルして、グループドメイン内相互に接続可能。
 ・接続するHGW/OGWには設定が必要。(事業所番号、グループドメインなど)
 ・テストフォンもグループダイヤリングの通話相手として使用可能。


●レジスト復元機能
 ・サーバをいったん停止後、再起動させた場合で、HGW/OGWを再起動させずそのままにした場合、HGW/OGWの(自律的な一定時間(数十分)ごとの)再レジストがおこなわれるまで、しばらくの間、そこへの着信が 「404NotFound」 になる。このHDEでは、HGW/OGWからの発信を判定して、前回のレジストを復元する機能があり、HGW/OGWから任意番号へ発信する操作をおこなえば、それを契機にレジストが復元され、HGW/OGWへの着信ができるようになる。再レジストを待つ必要がない。再起動に手間と時間を要する、PBXやビジネスホンの場合に便利な機能。
 ・注意点としては、@インストール直後や telnum1.txt 、telnum2.txt の修正直後など、レジスト履歴・ログファイルが存在しない場合、AHDEを再起動する前の休止時間が長時間(数十分以上)の場合など、機能しないこともある。
 ・HGW/OGW以外のSIP端末(テストフォンやIP電話etc)は、この機能には対応せず、起動も速いので、適宜、個別に再起動してレジストさせればよい。
 ・この機能のために、ログファイル( _log_svs.txt ) にレジスト履歴を記録し、HDE再起動時に読み込んでいる。




●空き番号トーキー
 ・空き番号(使われていない番号)あてに発信された場合、テストフォンへ転送・接続されて、「おかけになった電話番号は、現在 ・ ・ ・ 」の音声が聞こえる。なお、テストフォンが1台も空いていない場合は、普通のSIPサーバのように、「404 Not found」が返される。


●レジスト一覧表示機能
 ・下記操作がおこなわれた時に、その時点でレジストしている電話番号の一覧が、臨時的にサーバ画面に表示される。
 ・空き番号(使われていない番号)あてに発信操作が2回連続しておこなわれたとき。
 ・レジスト完了後に(発着信がおこなわれることなく)すぐにアンレジスト(レジスト解除)がおこなわれたとき。

 <表示例>


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